江口寿史さんトレパク問題から、これからの著作権と炎上対策を考える回

江口寿史先生が中央線文化祭メインビジュアルでトレパクをやっていた、ということで大炎上しています。今回は本件について、著作権・肖像権的な問題をレビューしつつ、創作活動をしている皆さんに向けて、今後の法的リスク問題や炎上対策を考えてみたいと思います。
今回の事件ですが、簡単に経緯を説明すると、江口寿史さんが描いたメインビジュアルのイラストをみて、「これ私では?」と主催のルミネに問い合わせ。江口さんは、インスタに流れてきた彼女の写真を見て参考にした、と認め、使用料とクレジット表記をすることで合意、和解した、という案件です。
ただ、この際の江口さんの経緯説明の投稿が「老害ムーブ」だと解釈されたり、彼の過去の活動も、すべて「写真の無断トレース」だったのではないか、ということで絶賛大炎上の巻となっています。
さて、本件そのものは、やってしまったことやその後のコメントの微妙さも含めて、あまり江口先生を擁護しようのない状況ではあるのですが、一方で、江口先生の過去作も含めて、「著作権侵害」「肖像権侵害」で<有罪>と糾弾するのも、それはそれで行き過ぎなのだろうと思っています。
著作権侵害、肖像権侵害はともに親告罪が原則ですし、少なくとも本件においては、事後であったにせよ、ご本人とお話がついているということであれば、外野がとやかくいうことではないし、少なくとも「犯罪行為」とは言えない、ということですね。
ただ、おそらくこの件で「怒っている人」がいるのだとすれば、その人たちにとって法的要件というのは副次的なところで、もっと根源的なところで、「トレース」という行為そのものに「怒り」を感じているように読み取れます。
この続きを見るには
2025年10月10日 17:00
スタンプで「屋根裏編集室【サブスク】」を応援する!